組織の意思決定に関心をもっている。
『組織認識論』加護野忠男著をやっと読み終えた。
この書籍の読書ノートは別途作成する。
組織認識をパラダイム論で述べており、認識のバイアス、
情報から意味解釈のバイアスを作るのがパラダイムと
言っている。またこのパラダイムがあるので、認識を効率的に
行え、意味抽出が効率的に行えるともいう。
大変参考になった書籍なのできちっと読書ノートを作りたい。
『活動行動意思決定論』(ベイザーマン/ムーア著)を読み始めた。
その前に行動経済学の意思決定のバイアスの例を整理しようと
WEBを見ていたら大変よくまとまったものが見つかったので、
ノートとさせていただく。著者が分からないが、勝手に引用
させて頂く。
0.われわれは、直観や経験則といった判断のための近道
(ヒューリスティックス)を用いて意思決定していることが多い。
無意識に用いていることが多いヒューリスティックスを改めて
意識し、それがどのような副作用(バイアス=歪み)をもたら
す可能性をもっているかを検討する。
1.利用可能性ヒューリスティックス
思い出しやすい事例を参照して判断しようとするヒューリ
スティックス
思い出しやすい事例のあるものごとの方が、事例が思い出し
にくいものごとよりも より多く(大きく)判断される
2.ヒューリスティックスの妥当性
発生頻度が高かった⇒記憶に残りやすい
↓
利用可能性ヒューリスティックスはそれなりに妥当性をもつ
だが、人間の記憶は過去の発生頻度以外のものにも影響される
→バイアスとしてはたらく可能性
3.利用可能性への影響要因
(a)近接性・近時性・具体性に基づくインパクトの強さ
=想起可能性
(b)情報の検索しやすさ、捉えやすさ
=検索可能性
4.アンカリング・ヒューリスティックス
最初に入手した情報を基点(アンカー)にして、それに
修正を行うことで判断しようとするヒューリスティックス
パーフェクトな情報収集ができないのだから、何らかの情報
を基準(アンカー)としながら 判断するのは自然
5.ヒューリスティックスの危険性
修正の範囲が限定される傾向が強い
⇒最初に基準とした情報(アンカー)の正確性や妥当性に
よって、判断が左右される
知識をもたない領域や不慣れな事柄では、アンカリング・
ヒューリスティックスがバイアスを生み出す危険が高い
6.代表性ヒューリスティックス
AがBに属しているかどうかを考えるときに、Aの特徴が
Bの典型的な特徴をどの程度反映したものであるかによって
判断しようとするヒューリスティックス
AがBに属しているなら、Bの典型的な特徴を備えている
ことも多い
→正しく機能することも多い
7.ヒューリスティックスの危険性
ステレオタイプへの類似にばかり注目すると、落とし穴
にはまることもある
(a)ベースレート(基準率)の軽視
(b)サンプルサイズの軽視
(c)連言錯誤
8.連言錯誤
制約条件の少ない方が、制約の多い方(連言事象)よりも
起こりうる確率が高いにもかかわらず、制約条件の組み合
わせのなかにストーリー性(因果的説明)を見いだすことで、
前者よりも後者の起こる確率を高く見積もってしまうこと
9.典型的ヒューリスティックスの まとめ
(a)利用可能性ヒューリスティックス
=想起可能性などを頼りにした判断
(b)アンカリング・ヒューリスティックス
=初期情報をアンカーとした判断
(c)代表性ヒューリスティックス
=ステレオタイプを頼りにした判断
どのヒューリスティックスもそれなりに妥当性をもち、
スピーディな意思決定の実現に寄与している。
しかし、いずれも誤った判断に導く可能性がある。
⇒よりより意思決定を行うためには、それぞれのヒューリ
スティックスの落とし穴をよく自覚することが重要となる。
以上
大変よくまとまっており、組織の意思決定のバイアスを理解する
定理のようなものの感じである。
組織に属する個々人が上記のようなバイアスを持った時に、
影響力のある組織上位者を含めた組織としての意思決定がどう
なるかに大変関心をもっている。